2018年の振り返りと2019年に向けて

明けましておめでとうございます。

今は、2019年1月1日12時25分。

今年は、子どもの受験もなく、追い詰められた原稿もなく、久しぶりにのんびりと大晦日とお正月を迎えています。大掃除とはとても言えませんが、散らかり放題だった家の整理整頓をし、年越しそばを食べて、紅白歌合戦を見ました。

石川さゆりに布袋寅泰のギターが加わった「天城越え」はすごかった。

BGMはMONKEY MAJIK 。幸せな歌詞と穏やかなメロディが今の気分にぴったりです。

2009年に、NPO法人キッズドアを設立し、昨年2018年は10年目ということで10周年記念のチャリティパーティを開催いたしました。おかげさまで、本当にたくさんの方にお越しいただき盛大な会となりました。

社会貢献者表彰という大変名誉ある賞もいただきました。

10月には、キッズドアの無料学習会の成果を教育格差の権威であるお茶の水女子大学の耳塚寛明先生の監修のもと調査し、その結果を発表させていただきました。

私個人としては、初の著書「子どもの貧困 〜未来へつなぐためにできること」(水曜社)を出版することができました。

 

一緒に働くスタッフも増え、たくさんのボランティアの方々とともに、子どもたちに向き合う現場の数も順調に増えています。

2018年も、キッズドアという団体としてみれば、本当にみんなで頑張ったとても充実した1年でした。

 

反面、少し目線を広げて、日本の子どもたちは幸せだったのかしら? と問いかけてみれば、その答えは明らかでしょう。

 

虐待、いじめ、自殺、不登校、貧困、不合理な校則、不公平な入試・・・・

 

南青山の児童相談所建設問題では、反対派の方々のあまりにもひどい差別的発言に、本当に深く考えさせられました。大人が自分の財産や見栄のために子どもを犠牲にするようなことを堂々という姿には、とても違和感を覚えました。一方、それに対して社会から批判の声が上がったことは救いでもありました。

 

 

2019年は、どんな年なのでしょう?

平成が終わり、新しい時代が始まります。

今の時代の幸せとは何なのでしょうか?

 

キッズドアの学習会に通う子どもたちの家庭環境は、決して裕福ではありません。一般的にみれば「かわいそうな子ども」かもしれません。しかし学習会の現場は決して「不幸せ」ではありません。現場に入って、一番エネルギーをもらうのは私です。

 

親でも学校の先生でもない私が、「ちゃんと勉強しなさいね。」とたくさんの子どもたちに声をかけて、

「あの子はお正月、ちゃんと家族と過ごせているかしら?」

「受験生はちゃんと勉強しているかしら?」

と、心配できる。

そういうことが、そういうことが本当の幸せなのかなぁ、と最近思います。

 

キッズドアの学習会に通って、今は高校生になり、学習支援ボランティアにきてくれているA君に、

「A君は政治家とか向いてると思う。大臣とか目指して欲しい。」

と何気なく言ったら

「渡辺さんは、僕が小学4年生の時から知ってるでしょ?それでそんなこと言いますぅ?」

と笑いながら答えてくれました。

もう何年も話していなかった彼が、「私といつ出会ったか」を覚えていてくれたことが、とても嬉しく心が暖かくなりました。私は、彼から幸せをもらいました。

 

子どものことを想って、大人がああだ、こうだと頑張る姿を見せれば、例えうまくいかなくても、きっとそれは、子どもの栄養になるのです。

 

今の日本では、ちょっと気を抜くと、一番弱い子どもに、すべての不合理のしわ寄せがいってしまいます。それを「仕方がない」と見過ごさない、諦めない。

子どもの幸せのために、全力で立ち向かう大人の姿を見せてあげましょう。

あなたの勇気が子どもたちに受け継がれ、時間がかかっても少しづつ社会が良くなる、こんな素晴らしいことはありません。

 

2019年も、たくさんの子どもたちと幸せを作っていけるよう、皆様と一緒に頑張ってまいる所存です。失敗や足踏みもあるかもしれませんが、どうか暖かく見守り、時には手を貸していただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。

 

*写真は東京都江戸川区からの空。快晴です!