マネープラス様にキッズドアの活動を取材いただいた後編です。
低所得者の進学に対する意識など、調査結果をふまえた内容を掲載していただいています。
是非お読みいただけますと幸いです。
●「低所得・低学力の子どもは怠け者」のウソ
大学に行きたい子どもとそれを”望めない”親NP0「キッズドア」は、生活困窮世帯を対象に親の年収差が招く教育格差の背景を調査。調査を受けて、渡辺由美子・キッズドア理事長は食料を買うのにも苦労する家庭が少なくないこと、低所得・低学力の家庭の子どもも関わり次第で中退が減ることなどを指摘しました。前編「大学生を見たことがない」子どもたち…日本が抱える貧困問題」
引き続き、渡辺理事長にお話を伺います。
いまだ続く「女だから学問をあきらめる」社会
――調査結果からは、低所得の家の子どもは勉強机もないなど本人のやる気とは関係ない理由で低学力に陥ることが見てとれます(前編)。しかし、貧困家庭の子どもへの学習支援に対して「怠けているだけ」といったバッシングがあると聞きます。キッズドアにも「金もなく、怠けている子どもに支援が必要なのか」「無駄な事業だ」などの声が寄せられることがあります。
――現在、日本の大学進学率は50%超。進学した50%側にいると自分が努力した分、「今どき、大学まで行くのは当たり前」「行けないのは努力不足」と思うのかもしれません。
低所得の家の子は、確かに大学進学率が低い傾向にあります。でも、当の子どもに希望する学歴を聞くと「大学まで行きたい」と言います。今回の調査でも、約4割の子どもが大学に進学したいと答えました。一方で、「子どもを大学に行かせたい」という保護者はそれより低い約3割しかいませんでした(表1)。