▼“子育て罰”を受ける国、日本のひとり親と貧困
桜井啓太 / 貧困研究、社会福祉学
(2019年06月10日 シノドス)

◇子どもの貧困は、大人の貧困である。

たいていの場合、子どもだけがひとり貧困になるわけではない。一緒に暮らす大人が贅沢な生活をしているのに、子どもを困窮させているのであれば、それは貧困問題ではなくネグレクトである。子どもの貧困は、子どもの親たちが貧しいからこそ生じている経済的問題である。

第一線の貧困研究者たちは、ずっと「子どもの貧困」における「罪のない子どもが貧困におかれている」という台詞の裏側に見え隠れする「大人の貧困は自己責任(罪)である」という価値に対して危惧を表明し続けてきた(注1)。

(注1)松本伊智朗編(2017)『「子どもの貧困」を問いなおす:家族ジェンダーの視点から』法律文化社。編者の松本は、「子どもの貧困」が貧困問題一般から切り離され、「家族責任」や「学習支援」に矮小化されることに明確な反対を示している。

どんな個人も、貧困のままに放置されるほどの罪などない。子どもであろうと大人であろうと、たとえ自業自得にみえたとしても、個人の責任と貧困を結びつけてはならない。

◇大人の貧困は、労働の貧困であり、社会保障の貧困である。

ひとりの成人が、フルタイムで働いて、自分ひとり食べることにカツカツで、家族を築き、・・・・

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