大人の「あたりまえ」と子どもの「あたりまえ」は違う。子どもの目線から見た貧困
野口由美子
株式会社aegifフェロー、子どもの貧困対策センター「あすのば」PRボランティア
(Huffington Post 2018年08月06日)

今年は、子どもの貧困対策法が成立して5周年になります。子どもの貧困対策センター公益財団法人あすのばは、子どもの貧困を子どもの目からも捉えようと当事者の高校生・大学生らや保護者にアンケートを行い、結果を「子どもの貧困対策2.0に向けて 法成立5周年・あすのば設立3周年のつどい」(2018年6月東京・代々木にて開催)で報告しました。

  *  *  *

「大人にとっての「あたりまえ」と子どもにとっての「あたりまえ」は違う。子どもにとって、「あたりまえ」のことを自分だけあきらめなくてはらならないことは、とてもつらい。」

ということを目の当たりにしたそうです。中学生や高校生にとっては、学校という狭い社会が生活のほとんどです。その中で自分だけが「あたりまえ」のことができない状況は、大人が思っている以上に苦しいことなのかもしれません。

当事者の子ども自身が感じている「子どもの貧困」とは、どういうものなのでしょうか、赤星さんに聞きました。

部活動は「あたりまえ」?

アンケートの回答では、学校生活のことに触れる子が多く、部活動の悩みがたくさんありました。部活動はほぼ強制の学校が多く、中高生にとって、部活動に入るのが「あたりまえ」になっています。

—(聞き手)部活動はやりたい子だけが参加する自由参加の活動だと思っていました。確かに、全国の公立中学の約3割で部活は強制加入という調査結果もあります(スポーツ庁「平成29年度「運動部活動等に関する実態調査」集計状況」)。実際に中学2年生の部活加入率は9割以上となっているそうです(スポーツ庁「運動部活動に関する調査結果の概要に係る基礎集計データ」2016年度)。学校では部活動に参加するのが当然となっているようですね。

みんな部活に入るんです。でも、公立でも部活費用の負担は大きいです。道具やユニフォームを揃えなくてはならないし、試合などでは交通費もかかります。お金がかかるから、と最初から部活に入ることをあきらめたり、途中で辞めざるを得なかったり、という体験を話してくれた子が多かったです。・・・(続く)

続き ↓↓
https://www.huffingtonpost.jp/yumiko-noguchi/poverty-20180806_a_23495825/