▼高校生活 家計に重い金銭負担
(沖縄タイムス 2019年6月2日)
法人や個人から寄せられた寄付金を子どもの貧困解消に役立てる「沖縄こども未来プロジェクト」(代表・武富和彦沖縄タイムス社長)は4月、初めて県内の新高校生に対する入学応援給付金を支給した。給付金応募者からは、高校生活での金銭的負担の重さを指摘する声が上がっている。
■県内高1の必要経費20万円 さらに部活費や修学旅行がプラス
沖縄タイムスが授業料以外にかかる費用を調べたところ、ある県立高校では新1年生の「必要経費」が年間約20万円に上ることが分かった。部活動や修学旅行などに参加すると、さらに数十万円上乗せされることになる。県立高校では2014年度から、授業料が実質的に無償化されているが、教科書代や制服代などは自己負担で、家計への影響は小さくない。
県立高校(全日制)の年間授業料は11万8800円。国は世帯年収910万円未満の生徒を対象に授業料に充てる「就学支援金」を支給しており、県内では約9割の生徒が制度を受けて授業料免除になっている。
ただ、教材費や模試代などの「校納金」や教科書代、制服代などは別途必要だ。ある普通高校では、PTA会費が8400円、部活動の生徒派遣費が1万1千円かかるほか、進路指導費6千円、諸テスト費約1万円など合計で5万円以上必要だった。早朝講座や必修模試の費用が3万円を超える高校もある。
教科書代も数万円かかり、中には任意で2万~3万円の電子辞書を購入する高校もある。進学校の場合、そろえる副読本が多く、ある教員は「買ってもらっているので宿題などに活用するが、生徒と家族にとっては経済的にも勉強量としても負担で、悪循環になっているかもしれない」と話す。。。。