学校教育で2分の1成人式は必要なのか?

日本の伝統行事 成人式。20歳になり大人の仲間入りを皆で祝福する日ですね。
そして、現在、日本全国の小学校で取り入れられているのが「2分の1成人式」という行事です。

10歳になる小学4年生の時に行われます。

私は、小学校の行事として行われれる2分の1成人式に大反対です。

行事の内容も学校ごとに色々あって、将来の夢などを語らせる「子供達の成長を見て下さい」という意図のものから、「親に愛されて生まれ、育てられたことを確認し、親に産んで育ててくれたことを感謝する」というような内容で、生まれた時の様子を親にインタビューして作文にして提出したり、赤ちゃんの頃の写真や思い出の品を学校に持って来させるというパターンまで様々です。

百歩譲って、自分の生い立ちや、生まれた時の話を自分の中で咀嚼するのなら分かりますが(まだ10歳、物心ついて4〜5年で人生振り返ってどうする?前を向け!と個人的には思いますが)、なぜかそれを教室に展示して、保護者を学校に呼んで見せつけるという、なんとも配慮のないことをさせる学校もあります。

当然、お父さんお母さんはもちろん、祖父母にも囲まれ、幸せいっぱいの写真や、ブランド品のベビー靴とかベビー服とか、手編みのケープを飾っている子どももいれば、赤ちゃんの時の写真が1枚もないご家庭や、思い出の品が手元にない家庭もあるわけです。

私は10年くらい前に、長男の小学校で初めてこの儀式に出会って、正直、仰天しました。並んだ品を見れば、その家の家庭環境や経済状況が一目瞭然です。 “学校教育で2分の1成人式は必要なのか?” の続きを読む

2017年を迎えて―シルバーポリティクス・高齢者の意識は変わるのか?

2017年の年頭にあたり、2016年を振り返り、子ども・子育て・若者支援に取り組むNPOの一員としての期待と願いをお伝えします。
 
■2016年キッズドアの統括

NPO法人キッズドアとしては、非常に良い1年でした。おかげさまで低所得のご家庭の無料学習会は40教室あまりとなり、たくさんの素晴らしいスタッフが加わって充実した活動を行なっています。新しいプロジェクトもスタートし、キッズドアとしては非常に良い1年でした。

また、低所得の子どもたちに無料学習会を行うNPO等の連携を強めようと、多くの方と力を合わせ、全国子どもの貧困・教育支援団体協議会 という団体の設立を果たしました。

フローレンスの駒崎さんや、シングルマザーズフォーラムの赤石さん、少子化ジャーナリストの白河桃子先生や乙武さんなどたくさんの方にご協力をいただいた給付型奨学金の創設に向けて活動し、先日の国会で給付型奨学金の実施が決まりました。

たくさんのメディアにも取り上げていただき、日経socialイニシアチブ大賞のファイナリストにも選んでいただき、キッズドアとしては、飛躍の一年と言って良いでしょう。

しかし、それでもなお、個人的には2016年が良い年だったとは言えません。

「子どもの貧困」課題を解決するためには乗り越えなければならない壁「シルバーポリティクス(高齢者の利害を反映した政治)」の強固さを改めて認識したからです。 “2017年を迎えて―シルバーポリティクス・高齢者の意識は変わるのか?” の続きを読む