キッズドア

キッズドアの活動に、ご興味を持って下さり、ありがとうございます。

キッズドアの設立のきっかけは、何と言っても、2000年、夫の仕事の関係で、二人の息子とともに家族で英国に暮らしたことにあります。

当時、小学一年生の長男は、英語がわからず、小学校の授業が理解できませんでしたが、現地の同級生の保護者がボランティアで勉強をみてくれました。また、この学校では、教材費は寄付でまかなわれます。外国人家庭や貧しい家庭の子どもたちも、分け隔てなく、地域と学校と父母が連携し、協力して育てる社会のしくみに感動致しました。

公教育が国の資金に大きく依存する日本と違い、英国では、民間企業が学校をサポートする仕組みが出来上がっています。地元の大手スーパーでは、購入金額に応じて付与されるポイントを、消費者が学校に寄付できるキャンペーンを実施するなど、営利企業の販促活動と社会貢献が、うまくかみ合っている事に感銘を受けました。

1年後、帰国し、息子を日本の小学校に転入させて感じたのは「日本では子どもの教育にこんなにもお金がかかるのか」ということでした。イギリスの学校で集金されたのは、年間で500円(当時)の遠足代だけでしたが、日本では給食、教材費、写真代、修学旅行等、様々な場面で集金される事に驚きました。

その頃、日本にも子どもの貧困があるということが、メディアで取り上げられるようになり、経済的に苦しい家庭の子どもたちの存在を知りました。OECDの調査によれば、日本において、年間ひとりあたり112万円以下で暮らす「貧困」の子どもの割合は、加盟30カ国の平均12%を上回る15.7%※、さらに、一人親家庭の子どもの貧困率は51%で、OECD加盟国の中で最悪という数字でした。

「日本でも、社会と子どもをつなぐ仕組みをつくりたい!」

そんな問題意識を抱き、2007年、キッズドアを設立しました。

最初は、経済的に苦しい家庭の親子でも参加できるような無料イベントやワークショップ、コンサートなどを企画・開催しましたが、実際に会場にいらっしゃるのは、ブランドバッグを持ったお母様と子どもという親子の姿が目立ちました。

なぜなんだろう、といろいろ調べた結果、困っている方々は、自分の地域からなかなか出てこられないのだという事がわかりました。例えば、貧困層の母子家庭のお母様たちは、低賃金、長時間労働で、お休みもありません。私たちがインターネットで情報発信をしても、パソコンも無いので情報が届きません。そういった実態がわかってきました。

保険証がなくて病院に行けない子どもがいる、親が仕事に追われ、一日一食しか食べられない子がいる、そばで見てくれる人がいないので、子どもが勉強する習慣が身に付かない、お金がなくて進学をあきらめなければならない・・・私が想像していたよりも、この裕福な日本の貧困問題は深刻で、本当にショックでした。

キッズドアが目指すところ

経済的に苦しい家庭が本当に望む事は何かを模索した結果、子どものための無料の学習指導に行き着きました。進学をあきらめてしまったら、就職にも不利です。収入の高い職に就く事が出来なければ、その子どもたちも、また貧困の問題を抱えてしまいます。この負の連鎖を断ち切る為に、子どもたちに進学する事の喜びを伝えたいと思いました。

現在、キッズドアという名前の通り、日本の子どもたちの社会へのドアを開けるべく、多くの大学生・社会人ボランティアと共に、国内の子どもの教育支援に特化した活動を展開しています。そこに、企業も行政もNPO法人も個人も入ってきて、「日本の全ての子どもが夢と希望を持てる社会」を作ること、その想いを軸に、これからも誠心誠意、取り組んで参ります。

皆様の温かいサポートをお願い申し上げます。

 

●個人の皆様へ
マンスリーサポーター http://www.kidsdoor.net/supporter/

●企業・団体の皆様へ
キッズドア応援クラブ http://backers.kidsdoor.tokyo